民家の保存と展示について

3.民家の保存と展示
現代では、われわれの住む民家には地域による特色の差がほとんどなくなっている。新潟などの豪雪地帯や沖縄の民家などは若干の違いはあるが、昔ほどではない。
現在の民家は自分で家を建てるといったようなことはなく、業者に任せて作るのが一般的である。しかも私たちは、昔の人々が行っていたように頻繁に家の手入れをすることもなくなった。
昔の家は自然素材で作られているため、自然の影響を受け痛むのが早い。今のように釘が使われていないものばかりである。よって数年に1回家のメンテナンスをするのだが、この作業は家族や地域の共同作業が必要となる。このため地域の結びつきも今よりずっと深いものであっただろう。
また、風土・生業が密接に関わっているため用途によって様々な種類・形態の民家が存在していたのも納得できる。人々は生きるための家を作っていたのだ。電気もガスもない時代なので、夜になると本当に暗い。
展示内で電気を消してもらったが、昼間でもほとんど見えなかった。このように太陽が昇ると仕事をし、沈むと作業をやめて家族で囲炉裏を囲む。このような家族像が見えるようだった。地域の結びつきが浅くなった今、かつて日本にも存在したであろう家族の風景を見た気がした。